今回のブログは事務方からです。
備忘録として「ISO取得している弊社がPCを処分しようとしたら」をテーマに調べたことや実際にやったことを記録しておきます。
この記事は個人向けの廃棄処分方法ではなく、法人向けの廃棄処分方法についてまとめてあります。ネットの情報も個人向けの記事が多く、個人向だとOKでも法人だと実は勝手が違うよ、ということがしばしば起こったものです。
この記事が今から調べようとしてる方やまさに今困ってるよ💦という方に見ていただけたらいいな…と思います。
※なお、まとめた時期はR6.2中旬のものとなります。のちに需要があれば本記事を加筆修正することがあると思います
R6.6.13追記…マウス・キーボードの処分
当然といえばそうなのですが法律が関わってきたりしておさえるポイントがいくつかある上その扱いに自治体ごとの違いもあり、まずもって分からないことがいっぱい。
PCは産業廃棄物になる?個人と法人では処分方法も違ってくるの?マニュフェストって何?法的義務も絡んでくる!?守るとこ守らないと罰則もある!?具体的にはどうしたらいいの~??(・.・;)
…などなど、知らないと分からないこともたくさんあり、調べていくうちにものを買う時は捨てる時のこともセットで考えないといけないなと実感しました。(・.・;)
まず、「法人 パソコン 処分」でGoogle検索すると当然いろんな産業廃棄物処理業者の公告が上位に挙がってきます。たくさんの情報がごっちゃごちゃしすぎて、整理したものが以下の記事になります。
何を廃棄処分するのか?
今回会社から廃棄処分する品目は…
- ノートPC+デスクトップPC+外付けHDD
- 液晶モニター
- 小型プリンター
と、それぞれの品目で複数台あり形状もさまざまで搬出も大変です。
上記の製品の属性は法的にはどういうくくりになるのか…
小型家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の
回収対象28品目に入っている
+
法人として家電リサイクル法対象物を処分をするとき「産業廃棄物」扱いになり(対象品目も69品目になる)資源有効利用促進法の内、指定再利用促進製品である
これに則った適切な処分方法が、法人には求められますよということですね。間違っても粗大ごみとして出せばいいんじゃない?はNGです💦
■産業廃棄物の処分に関する問い合わせ等は市区町村ではなく都道府県が窓口になります
■処分時に抑えるポイントは…
1.「広域認定や知事許可のある業者の選定」
(あやしい業者に注意。)
2.「マニュフェスト交付の上、処分品の最終処分までが追跡可能である」
(ちゃんと保存!)
3.「HDDなどに保存されたデータ・機密事項の破棄」
(消去ソフト使って消去したり物理破壊したり)
※上二つは法令:廃棄物処理法、三つめは法律:個人情報保護法の観点より
おおまかにこの3点が大きなポイントとなります!
■処分方法
購入したPCメーカーに回収委託(有償)か都道府県知事の許可のある産業廃棄物処理業者に委託する等の方法で処分していきます。
・購入した機器のメーカーに処分委託する
大手PCメーカー多数で構成されているPC3R協会や各メーカーが直で受け付けている場合もあります。
各種メーカーHPを見ても“使用済み機器の回収方法が分かりやすい会社とそうでない会社”があるので気を付けたいポイントです。
注意点…
沖縄は離島なので県外に委託する場合、当然運送しないといけないです。梱包の為の段ボールの準備(大体個別梱包。最大サイズが決められていたりしてわりと手間がかかります)や梱包作業、運送手配など発生します
注意:リサイクルマークは個人の場合のみ適用可
PCやモニタなどのS/N等が記載されてるシールの横にちっこく張り付けられている”PCリサイクル”のシール、見覚えがありませんか。
リサイクルマークの有無で回収代金が無料になるのは個人のみ!基本的に法人は適用されない場合が多いので注意です。(一応メーカーによって違うようなので要問合せです)リサイクルマークがついているPC等は購入時にリサイクル料金を前払いしているので、とくに中古pc専門店などで購入するときに注意しておきたいポイントですね。
・産業廃棄物処理業者に処分委託する
ググったら業者の広告でいっぱい!どこにお願いしたらいいの…!?
-マニュフェスト票の発行
産業廃棄物を処分するさい必須なのがマニュフェスト(産業廃棄物管理票)の交付義務。電子と紙があり、排出事業所(処分をお願いする側)が発行するものとなります。
紙マニュフェスト票は各協会で購入することができますがロット購入(100枚入り)なので、そんなに処分の頻度もないうえ、単発の処分という場合ちょっと困ると思います💦でも処分業者窓口で1部だけ購入もできる場合もあるのでその旨、受付で聞いてみてください。
マニュフェストは必須項目すべてに記入しないと効力がないので書き方を調べたりしないといけないです。
-廃棄処分時の委託契約書
廃棄にあたり委託契約書を交わしてからの処理となる場合もあるので契約書の様式の有無や押印などの確認も最初の問い合わせで聞いておくとよいと思います。廃棄物品の量によって金額も変わるので一定の金額以上になる場合印紙が必要になるのでこれも押さえておきたいポイントです。
・マニュフェストは電子と紙がある
・処分業者窓口で紙マニュフェストを一部から購入できる場合もある
・委託契約書を交わす場合、必要なものを聞いておく
・持ち込み品の処分費が一定の金額以上の場合契約書に印紙が必要
マニュフェストとは…(タップで開きます)
産業廃棄物管理票=マニュフェスト
・7枚つづり(A票、B1票、B2票、C1票、C2票、D票、E票)の複写式 ※赤文字は返却されます
産廃業者に処分委託するさいに必要。適切に処理されているか把握するための管理票となります。
・マニュフェストには紙、電子とあるがいずれでも可。廃棄物の引き渡し時に交付する。
・マニュフェスト交付は法律で義務づけられているので交付してない場合違反となり…処分業者、運搬した業者、中間業者、排出事業者は罰則あり。(法令:廃棄物処理法)
・5年間の保存義務あり。保存期間中、破棄してしまうと罰則あり。(法令:廃棄物処理法)
・最終処分日まで明記すること。E票の発行をもって最終処分となる
-気を付けたい資産滅却報告書とマニュフェストの違い
資産滅却報告書がマニュフェストの代わりになるとHPに記載している業者もありましたが…税務署に決算時に申告する場合は必要になりますが、もしいつ、どこで適切に処分されているのか明記されていない・追跡も照合もできない様式だった場合、万一何か(処理プロセス中での不正行為)があったときに情報不足…ひいては廃棄物の排出事業所としての落ち度とみなされるリスクがあります。
ちなみにマニュフェストの正式にそろった書式(B2,D,E票が返却され最終処分日まで記載されたA票)は資産滅却の観点からも税務署に申告する際、有効書類であるとの事です。
安いから、手間取る時間がないからとリスクを取らずに堅実・無難にマニュフェスト発行してもらえるか否かが業者選定のポイントとなりそうです。
注意されたし。格安業者(タップで開きます)
/チラシ、WEBともにあやしげな処分業者はちらほら散見されるので、都道府県知事の許可のある処分業者なのか事前に調べてから依頼したいものです。もし万一その業者が悪徳業者で…委託処分品を山とか海とか海外に不法投棄、適切でない処理法によって事故が起きた等があった場合排出事業所にも責任が発生するので格安チラシなどにつられて安易に依頼しないよう注意です!
事業系pcの処分においてマニュフェスト不要の場合もありますが特例となり、環境大臣の認定のある「広域認定」の業者に委託した場合などになるようですね。
・県内の業者さんにお願いしたい
ぶっちゃけですね、梱包とか、発送とか、手間だし大変なので折角だったら沖縄県内で持ち込みができる業者さんにお願いしたいよねと思い調べてみました。
追記:回収に来てもらう場合、回収費用が別途かかります。直接持ち込み希望の場合は、可能かどうか業者さんHPを見たり問合せしたりして確認が必要です。
■三和金属さん。金属買取のCMでもおなじみの県内企業です。マニュフェスト発行可。お問合せしたところマニュフェストの項目-「処分方法」は「買取」表記になるようです。
※買取で収入となった場合は雑所得扱いになるようです(税理士さんに確認してください)
■環境ソリューションさん。沖縄市の処理業者さんです。要予約、マニュフェストは最終処理後郵送、要契約書作成。敷地が広くスムーズに搬入できます。
■ほか沖縄県内で産業廃棄物処理において県知事許可のある業者は県のHPにリストがありますので参考まで。
■産業廃棄物処理業者マッチングサイト(業者の全国版リンク集。沖縄県内業者も掲載)も大いに参考になりました。→リサイクルハブ
※他にも調べた業者さんが複数ありますが現況と差異があるかもしれませんので記載は控えさせていただいています
忌憚なくコメントすると、メール送っても帰ってこないし電話も折返すといいつつ催促しても返信がない…という業者さんもいますし、電話一本でスムーズに搬入予約できる業者さんまで、同業種でも対応様々です。(一見お断りもあるのかもしれませんが)
時間に余裕を持って信頼できる業者さんを探すと吉です。
コラム1:地味にやっかいだったのが、液晶モニターの処分
・PCはわりと引き取り業者さん多いのですが、液晶モニターの処分ができるかどうかが不明でした。
・探すのも、見つけるのも、確認するのも全部、逐一時間がかかりました。
HPを見ても「液晶モニター受け入れ」が(できる出来ない抜きにして)掲載されている県内業者さんは現時点でほぼ見当たりませんでした。
・そもそも、持ち込み可能+一見客の単発での依頼受け入れサービスを行う業者自体、限られてくるので地道に電話やメールなどで一社づつ確認することになります。(令和6年2月時点)
・もう、そういう地道に探すとか面倒だし時間ない!という場合はPC3R協会に委託すると話は早いです。ただし、PC3Rに加盟している企業の製品のみ。対象外メーカーは受け入れ不可となります。発送にも個別梱包(サイズ上限の縛りあり)の手間あり。※
※
複数台ある場合結構お値段します
上記から自分の会社で保持しているAO機器が該当しそうな場合は前もって産業廃棄物処理業者さんの受け入れ物品のチェック&リストアップ(できたら複数。受け入れの一時停止もあるようなので)しておくといざという時慌てない&時短になるかなと思います。知っておくだけでも全然違うので!
追記:PC用の液晶モニターの注意点…TV用のチューナーが付いているものはテレビ扱い(家電リサイクル法)になるので対応が違ってくるとのこと。
(県内産廃処理業者さんへ…現時点沖縄県内でのSEO効果大きいと思うので御社がもし液晶モニターの受け入れをしていて、かつ少量持ち込みも積極的に行っているよという場合はぜひともHPのキーワードに「液晶モニター 処分可」の要素を盛り込んでほしいです!多分排出事業所でキーワード迷子になってしまってる会社さん-主に事務員さん-いっぱいいると思います(T_T))
コラム2:マウス・キーボードの処分
・マウス、キーボードの処分は小型家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)になりますが、PC処分時一緒に処分に出す…というわけにもいかず産廃処分業者さんで引き取り不可の場合が多いようです。
・事業所から処分するならまず該当する市町村に確認してから(お問合せ先も地域によって担当課が変わります)が良いかと思います。→小型家電リサイクルの回収方法の一覧(県HPより)
・事業所で契約している業者さんに「もえないごみ」として処分に出せたり、回収ボックスがあったり等…自治体によって違ってくる模様。
PCやモニターの処分が複雑だった分わりと拍子抜けするくらいゆるくなっててちょっとびっくりしてしまったり…(個人の感想ですw)
■情報漏洩に注意する
うっかり忘れがち、でもとても重要なポイントです。
個人情報保護法の観点より処分の際は、HDのデータはもれなく確実に全消去します。方法は消去ソフト使ったり物理破壊(ドリルで穴開け等。でも危ないので一応非推奨)など。
他、機器本体に社名や社内管理番号のテプラなど貼っている場合は処分の前にはがしておく等、
視覚的にも内蔵的にも特定できてしまう情報は一切排除する!を徹底です。
■実は身近な産業廃棄物
「産業廃棄物」と書くとなんだか仰々しい、特別なことのイメージがあるかもですが、上記でも出てきた「資源有効利用促進法」の範疇には紙・プラスチック・アルミ・スチールなど普段から身の回りで消費するビニール袋やコーヒーの缶、使用済みの古紙、ペットボトル、蛍光灯、電池なんかもその対象です。これらを日常的に排出しない会社はほぼ無いのではないのでしょうか。そう考えると普段意識しないだけでごく身近な概念でした。
普段は行政の回収や、業者さんに委託していることもあり…そういった基本的なこともポヤーと忘れてしまっていたので本件は再確認する気づき&反省となりました💦
■さいごに
🐱あまり普段廃棄や処分の事を意識しないけれど、昨今テレビやネットニュース、ドキュメンタリーなどで目にする「環境問題」。
筆者が子供のころにはすでに国内ごみ処理施設の収容はひっ迫しているといわれていたし、地方に行ったとき完全に違法でしょ😓っていう廃棄物の山や不法投棄するための大穴を目にしたことが実体験として過去にたびたびあったり…
😿海外では他国のごみ受け入れになって不法投棄のゴミだらけになっているエリアもあるとメディアで聞きかじったりしていますが、日本も長年加担していたということもあるでしょう。自分には関係ないと思わず自分事ととらえてそういった事実の要因・遠因にならない、加担しないぞ!っていう心構えを持っていたいものです。複数の人が集まる会社規模ではどうしても個人より廃棄物は多くなるので処理が面倒でもなおさら新しい情報仕入れたり知識を更新したりして備えもちゃんとしないとね、と思う次第です。
…でも廃棄物処理法、調べていくと複雑で情報量も多いので、ネットではそれを逆手に取ったような業者のHPの説明文が散見されます。業者側の恣意的な解釈が書かれている等、ミスリードでは?と思うこともしばしばで、ちょっと調べただけでは混乱必至です。粗大ごみを出す感覚でいると口八丁の業者に簡単に言いくるめられて引っ掛かりそうになるのでほんとに検証大事ですね🐈